スペインのチーム作り 〜レアルマドリードでは〜

友人のスペイン人(レアルマドリードのスカウティングコーチ)に教わったチーム作りについてお伝えします。日本と同じ部分もありますが、幼い年代でも週末に必ず試合があり、そこに向けてトレーニングができているというのは日本と違って良い環境です。

トレーニングは「真剣さの中に楽しむということを求めないといけない。プロ選手になるだけが夢ではない」ということを伝えているとのこと。日本人に欠けているのは真面目で遊びの要素を取り入れたことをしないからだという。素走りのような練習をすることはなく、フィジカルを鍛えるとしてもボールを使ったものが多いという。それは日本人と違ってつまらないと辞めてしまう。実際、スペインで指導している日本人コーチに聞いた話だと、8歳くらいの子が「コーチ、この練習クソつまんねえよ!」って言ってきたとか。日本ではありえないですね。

でも、意外と言っては失礼だが、勉強やしつけも徹底しており、レアルのカンテラではテストの点が悪いと練習に参加させなかったり、道具を片付ける大切さも指導しているという。人間形成の部分は日本の方が意識しているかと思っていたが、レアルくらいになるとそこは違う。でも、スペイン人いわく、日本人の集中力や組織力は凄い言ってくれました。「集合をかけるとすぐに集まってくるし、話し出すと全員聞いてくれる。スペインだとこうはいかないよ」と笑っていた。

練習の内容としては日本でよく行うドリル形式はあまり行わず、ゲームに近いものが多い。これは冒頭に書いた週末に試合があるのが大きな理由で、そのために対策を落とし込んだ内容を主に行なっている。子どもたちも週末の試合にスタメンで出場したいから、練習から全力でプレーしてアピールするから更に上手くなるという。
スペインの子は競技としてフットボールを理解していると感じるが、戦術の練習を多くやっているという訳でなく、テレビやスタジアムで試合を観る機会が多いため幼少期から自然と学んでいる。また、小学校の体育の授業で行うサッカーやフットサルも指導資格を持った教師が教えている。ただ、体育教師だからといってどんなスポーツでも指導できる訳ではなく、スペシャリストが授業で教えるといった環境があることも大きいだろう。

そして、シーズンというものがあり、プロチームとほぼ同じように夏に始まり、春に終わる。1年間を通して練習テーマを考えて、3ヶ月、1ヶ月、1週間と短いスパンでも決めているという。日本がさらにレベルアップしていくには指導力も大事だが、幼児や低学年でも参加できる公式戦が週末に行われる環境も作っていかないといけないです。

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