新人指導者の方へ。トレーニング応用の基礎知識

まもなく新学期・新生活ということで、サッカークラブ(スクール)に就職してコーチの道に進んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は新人指導者向けの話。トレーニングの作り方についてです。
『2対2』の練習を例に挙げて考えてみましょう。
そもそも、2対2はフットサルにとって基本でありながら、極めることで試合を有利に運ぶことが出来るフットサルには必須なものです。1対1との大きな違いは味方がいることでパスという選択肢があること。グループトレーニングとしては「最小の人数」それが2対2です。

通常の2対2を繰り返すだけでもトレーニングとしての効果は高いですが、ルールにオプションを加えることで、違う技術を伸ばすことができます。

その例としては…
・シュート禁止。ラインゴールにする⇨ドリブルの突破力を育てる
・シュートはダイレクトのみ⇨ゴール前のポジショニングを育てる
・シュートは逆足のみ⇨利き足以外の精度を上げる
・タッチ制限を付ける⇨ファーストタッチを意識する
・ダイレクトプレー禁止⇨攻め急がずに崩す方法を考える
・コートサイズを大きく(小さく)する⇨スペースの広さで戦い方を変える
・ピッチを縦長にする⇨相手の裏のスペースを狙う
・ピッチを横長にする⇨相手の間隔を広げてカバーリングのギャップを作る
・ゴールを2つにする⇨サイドチェンジで崩す

これらの考え方は他のトレーニングでも活用できます。新人指導者の方は最初のうちは練習メニューを考えるのに苦労することでしょう。しかし、難しく考えることはなく、上記のように少し加えるだけでベースは同じでも違うトレーニングになるのです。

私が指導者を始めた頃と違い今では書籍やインターネットでトレーニングを調べることができます。しかし、大事なのはただ真似をするのではなく、自分が見ている選手にいま何が必要なのかを考えることです。そして何より子どもたちが楽しんでいるかが最も重要なのです!

年齢によって求めるレベルは違います。しかし、私はトレーニングの理想は遊びながら技術を伸ばすことが良いと考えています。
突然ですが、皆さんはジャッキー・チェン主演の「ベスト・キッド」という映画はご存知でしょうか?
カンフーの修行のはずが「ジャケットを取って、着て、脱いで、捨てて、拾って、掛ける」という動きを延々とさせられます。しかし、いざ実践となると見事に相手を倒します。一見関係のないような修行も実はカンフーの型をマスターするための動きだったのです。

楽しくボールに触れていたら、いつの間にか上手くなっていた!
そう子どもたちが感じられるトレーニングが理想です。
そして、「コーチから教えてもらった練習をしたら上手くなれた」と信頼してもらえることが大切です。
この指導者についていけば間違いない、そう思ってもらえるように私自身も日々成長していきたいと思います。

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