『指導』と『パズル』は似ています。
私は指導者の講習会やサッカー系企業の研修などでもこの話をよくさせていただいています。みなさんもパズルはやったことありますよね?
例えば、バラバラに置かれたパズルを目の前にして「完成させてください。」と言われるとかなり難しいですよね?大体はパッケージに完成図が書かれており、それを自分でバラバラにしたところから始めます。
しかし、子どもたちへのスポーツの指導というのはそうではありません。子どもたちは完成図を知らない状態で参加していることがほとんどなのです。だからこそ、指導者が何が出来るのかイメージできるように完成へと近づけていかなければなりません。
例えば、簡単なボール遊びやしっぽ取りなどの鬼ごっこはパズルでいうと角や縁のピースです。そこから始めることでパズルは作りやすくなります。でも、指導者の中には中央にある『試合』の部分から組み立てる方もいます。もちろん、指導する年齢によってはそれも可能ですが、年齢が低くなるにつれて、その競技の知識は乏しくなっていきます。まずは完成の絵を選手は理解しているのか、チーム全員が同じ絵を思い浮かべているのか感じ取らなければいけません。
これは保護者の方にも言えることで、自分の子どもにはやはり試合で活躍して欲しいのは当然です。でも、観戦しながら、「なんでそこでパスしないの!?」「もっと積極的にボールを追いかけないの!?」って言ったことありませんか?
これも試合という完成したパズルがまだ見えていない状態なのです。だから、練習では「ドリブル」というピースを作って、次に「シュート」のピースを作り、それを合わせていく作業を行なっています。色んなピースを組み合わせることで「試合」に近づくのです。
学年が上がっていくと子どもが『完成したパズル』が見える瞬間がきます。これは指導していても明らかで、今までとは動きが全然違っているのです。
でも、大事なのは子どもが自らの手でそのパズルを完成させることです。周りの大人はあくまでもサポートしてあげるだけということを心掛けておかなければなりません。
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