ボトムアップ式指導法で成長させる!

アカデミークラスの新シーズン1発目のトレーニングが行なわれました。
この日から新しい取り組みとして、冒頭10分間のウォーミングアップを子どもたちに任せてみました。
ルールとしては、
・ボールは使わない
・全員が一緒に行える
・安全に取り組める
以上の3つです。
マーカー、コーン、フープ、ビブスなどは自由に使えます。


いきなりの無茶振りに子どもたちはどうしたら良いのかと困った様子。ああでもない、こうでもないと3分以上も会議が行なわれました。そして、道具を持っていざ動き出したかと思ったら、今度はどこにどう設置したら良いのかでまた悩みそこから更に2分経過。
アップ時間の半分を使ってしまうことになりましたがそれでも私は我慢して見守ることにしました。

しばらくするとフープが3列に並ばれてウォーミングアップがスタートしました。ラダーの代わりにフープを使ったアジリティトレーニングのようです。
でも、30秒くらいでもう辛そう。この時点では6人しかいなかったのに3列で行なえるように設置したのです。つまり、1列に2人ずつ。走って戻ってきたらもうスタートを切らないといけないという地獄のようなスパルタトレーニングを自分たちで作り上げてしまいました(笑)

そのときの様子はインスタにUPしています⇩

しかし、これは良い気付きでした。どれくらいの強度で取り組めば疲れてしまうのか、リカバリーにはどれくらいの時間必要なのかを知ることは大切なことです。
トレーニングを作る際に指導者は1列にどれくらい並ばせるかは必ず考えています。長すぎるとプレー時間は減りますが、短すぎてもいけません。どちらにもメリット、デメリットがあるためその絶妙なバランスを考えているのです。

普段はコーチに言われたことをただ取り組んでいるだけでしたが、いざ自分たちがトレーニングを考える立場になると道具1つをどこに配置すれば良いかだけでも悩んでしまうのです。

実はマーカー1つにも意味があり、色にも意味を持たせることがあります。
例えば、速いドリブルからスピードを落とすような練習があった場合は速度を下げる地点の目印に配置するマーカーは赤系統の色を選びます。これは人間の心理的なもので“赤=止まれ”となるからです。

自分たちで練習を考える機会を与えることで今までにない知識が身に付きますし、違う視点でトレーニングを捉えることが出来るようになります。
子どもたちがこれまで何気なく行なってきたトレーニング1つとっても、実はマーカーやコーンの設置場所にもスムーズに練習を進行するための工夫があるんだということに気付くはずです。

現日本代表監督の森保一さんは選手時代からその日に行なったトレーニングの内容をノートに書き留めていたそうです。当時は周りの選手からもう監督になることを考えているのかと冷やかされたそうですが、今となってはその知識は日本代表チームに活かされることになりました。

選手だからといってテクニックだけを伸ばすことが全てではないと思っています。トレーニングの意味を知り、何を身に付けるために行なっているのか論理的に理解して取り組むことで、これまで以上に成長できることでしょう。

もしかすると、将来プロ選手ではなく、プロコーチを目指したいという子が現れるかも知れません。そのときにいま受けているトレーニングを知識として知っておくだけで他の指導者とのスタートラインは大きく変わってくると思います。

今シーズンのアカデミークラスでは、選手の自主性を向上させたい理由から、ボトムアップ式の指導を強めたいと考えています。その1つがウォーミングアップを選手に任せることです。

ボトムアップとは、指示、命令型の日本の古くからの指導方法ではなく、考えさせ、認め、任せる指導方法のことです。日本の会社はその反対でトップダウン式で社長の命令が下りてくる環境がほとんどです。
保護者の方でも試合中に「そこでシュート!」「パスを出しなさい!」なんて試合中に叫んでしまったことはありませんか?これもトップダウン式なのです。

しかし、言われたことをただ行なうだけでは試合での判断力もトレーニングでも成長できません。自発的に動ける力を身に付けた方が試合は楽しいですし、何より選手としてだけでなく人として成長できることは言うまでもありません。
選手が主体性を持って、考えて練習に取り組むことがボトムアップ指導なのです。