努力の天才は誰が育てる?

当クラブでは、技術的なテストというものは行なっていません。それはスポーツというものは誰かに強制されて行うものではないからです。だから、ノルマを設けることもありません。それはチーム活動を行うアカデミークラスでも同じです。クラブによってはアカデミークラス、選抜クラスなどにはセレクションなどの試験に合格した選手のみが通えるということがほとんどです。
しかし、SOLUNAではヤル気があれば誰でも受け入れています。それはアカデミーに入ることが成長のキッカケになると思っているからです。でも、現実はそうではありませんでした…。

 

リフティングができなくてもヘラヘラ

リフティングをチームでの練習時間内に行うことはほとんどありませんでした。理由は単純。リフティングはボールさえあれば1人で練習できるからです。アカデミークラスを設立して1年間はそのスタンスで行なってきました。でも、1年経過したときにリフティングをやらせてみると数名を除いて全くできなかったのです。
そこで練習の冒頭に5〜10分程度リフティングをする時間を作りました。ルールは簡単。片足でも両足でも構わないのでとにかく落とさずに10回できればクリア。クリアした選手はハーフウェーラインを超えて反対のコートに入ってくるというもの。たったの10回です。しかし、クリア側のエリアに入ってきた子は15名中3名ほどでした。

でも、最初はそれでもクリアできない子の方が多かったので、10回できなくても「無理〜!」と言いながらヘラヘラして、ただその時間が過ぎるのを待つだけという子もいました。周りも同じように出来ていないので平気という様子でした。

 

指導方針を変えてでも達成させたかった理由

私は指導の中で大事にしているものがあります。その中の1つが冒頭にも書いたスポーツを強制的にやらせたくないということ。そして、子どもの能力を比較しないということです。でも、このリフティングトレーニングはそれとは違います。リフティングが苦手でやりたくない子に対して強制的にさせる時間です。更にクリアした子は抜けていくため、クリアできない選手は一目瞭然です。

ところが数ヶ月経過するとクリア側のコートに入ってくる選手が1人2人と増えてきました。10回が難しい子も今までのようなボールがどこに飛んで行くかわからないような蹴り方ではなく、惜しいと思えるシーンが増えてきました。そして、少しずつ焦り始める子が出てきました。
コロナの自粛期間明けのトレーニングでは、8割以上の子がクリアできるようになり、中には50回、100回と記録を更新している選手も出てきました。もちろん、時間内にクリアできない子が数名出ることはありますが、その子たちも練習では10回以上できている姿を目にしています。明らかに意識は変わり始めています。

 

フットサルを辞めて何が残りますか?

リフティングは何回できたら合格という基準はありませんが、日本代表の久保建英選手は年長のときには200回、小学1年生ですでに1000回は超えていたそうです。でも、これは特別な才能です。当然ながらスポーツには才能というものが存在します。同じ練習をしたからといって全員が同じ能力になるかと言ったらそうではありません。でも、繰り返し行うことでスピードは違えど成長は必ずします。

私が小学生の頃にはリフティングを100回できるまで帰らせない、ノルマをクリアできないと練習に参加させないというクラブがありました。現在でも存在するかはわかりませんが、今のご時世だとパワハラだ、虐待だとクレームが入ることでしょう。でも、当時は泣きながらボールを蹴っている子もいましたが、ひたすら練習したものです。

しかし、今の時代にそんなスパルタ指導は流行らないでしょう。だからといって出来ないことを出来ないままで終わらせるような子になってほしくはありません。大人になったら今より他人と比較されることが増えてくるでしょう。時には厳しいノルマを課せられることもあるでしょう。そんなときに「無理!」と言って投げ出してしまう大人にはならないようにスポーツを通じて伝えていきたいと思っています。

指導者として大事にしていることにはまだ続きがあります。それは、フットサルを辞めたときに残るものを作ってあげたいということ。恐らく今フットサル(サッカー)をしている子のほとんどは大人になるに連れて競技的なレベルから離れ、趣味程度や違うスポーツ、もしかしたらスポーツ自体を辞めてしまっているかも知れません。当然ながら身に付けたドリブルの技術は会社の業務では役に立ちません。でも、フットサルで学んだルール、マナーや挨拶、仲間と協力して目標を達成することなど何か1つでも社会に出たときに役立つものを残してあげたいと考えています。

でも、努力をするという人間にとって大事なことは、指導者や周りの大人がサポートすることはできても、本人が自分と向き合って真剣に取り組まなければ身に付かない能力なのです。天才は持って生まれた才能ですが、努力の天才には誰もがなることができます。リフティングはそのキッカケの1つなのです。

努力の天才予備軍のみんな!
今日はリフティング何回できるかな?

 

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