サッカースクールの探し方

福岡県南部ではコロナが少し落ち着いてスクール、クラブ活動が再開されました。春から新しいクラブや掛け持ちのクラブを探したかった方はやっと体験などに行けるのではないでしょうか?
今回お話するテーマは良いトレーニングを見分ける方法です。スクールを探していてこのブログにたまたま辿り着いた方も参考にしてください。

良いトレーニングを見分ける方法

先に結論から書くとトレーニングに正解はありません!
じゃあ、そんな話するなよという方、もう少しお付き合いください。

当クラブにも他クラブから移ってきた選手が何名かいます。理由の多くは練習内容に満足できなかったからというもの。でも、その為にどのクラブでも無料体験というものが1回はできるはずです。その体験の際に見抜けなかったということなのです。
でも、それは仕方ありません。そもそも、サッカー(フットサル)経験者ではない保護者の方が練習を見て、良いトレーニングかどうかを判断することは難しいです。そして、競技経験者や試合観戦をよくしている知識があるお父さんでも難しいかと思います。プレイヤー、観戦者の知識と指導の知識はまた別物なのです。

では、どうやって良いトレーニング(クラブ)かを見抜くかというポイントを教えます。
でも、これは決して悪いクラブを見つける方法ではなく、トレーニングを指導者が考えて行なっているかを見極めるためのポイントだということを理解しておいてください。

まず、子どもたちに必要なことは『蹴る・止める・運ぶ』のスキルです。特に習い始めたばかりの子はこの3つを如何に伸ばしていくかが重要です。つまり、これらのスキルアップの為にどのような練習が行われているかを見ることが大切です。その中で対人のトレーニングを行なっているかも大事です。そして、練習メニューの時間配分。この辺りも考えて組み立てられているかもポイントです。

極端な例ですと…

<60分のトレーニング>
尻尾取り鬼ごっこ(20分)

コーンドリブル(20分)
ゲーム(20分)

このような練習だったときにどう感じますか?
恐らく体験に参加した子どもは友達と一緒に60分も一緒に遊べて楽しかったと言うでしょう。
でも、それと技術の伸びは別の話です。

まず、ウォーミングアップで尻尾取りの鬼ごっこをすることはあるかと思いますが、これ自体が悪いということではありません。ただ、60分のトレーニングで20分間もボールを使わない時間があることが問題です。では、ボールを使ってドリブルで尻尾取りをしたらどうでしょう?ボールなしよりはトレーニングの質という点では向上しましたね。
実際にこのような練習を行なっているクラブをたまたま通りかかったグラウンドで見掛けたことがありました。最初はボールなしで10分、次にドリブルで10分していました。ただ、問題は20名の選手に対して鬼が1人だけでした。すると何が起きるかというと逃げる必要がなくなるんですよね。1人が追いかけ回されているときに他の選手は角でじっと止まったまま。中にはふざけて座り込んでいる選手もいました。鬼の数を増さないとウォーミングアップの効果もないですし、そもそも20分もする必要がないですね。そう考えるとトレーニングの組み立て方に問題があることがわかります。

次にコーンドリブル。基礎として大切なトレーニングです。しかし、スクールで長時間行う必要はありません。コーンドリブルはボールを動かしてコーンをかわして前に進みます。でも、実際の試合ではボールではなく、DFを動かす必要もあります。もっと細かく言うとボールを動かさなくてもフェイントで相手をかわすこともできます。だからこそ、1対1など対人練習を行うことが必要です。そもそも、コーンドリブルは家で1人でも出来るので、スクールの時間内で行うのは勿体ないと私は考えています。

とは言っても当クラブでもコーンドリブルは行うことはあります。でも、ウォーミングアップの時間でアジリティトレーニングの位置付けとして行なっています。また、長時間行うことはなく、あくまで自主練習で行えるようにレクチャーする意味合いが強いです。せっかく選手が集まってきているので対人や複数人でしかできないことに時間を使う方が良いと思います。

なぜ効果的なトレーニングを誰もがしないのか?

では、なぜこのようなことが起きるかというと経験の浅い指導者ほど本や動画などで練習メニューをそのまま実施しがちです。勉強することはもちろん必要ですが、問題はそこに書かれた練習メニューとルールだけを覚えて指導してしまっていることです。

選手の人数は?使うボールの数は?マーカーの数は?グリッドのサイズは?このような決まりごとだけを暗記しても意味はありません。本に書かれたメニューをその通りにやればそれなりに練習をこなすことは可能です。でも、指導者がルール通りに行なったトレーニングでルールの型を破るような選手は生まれません。選手が問題なく無難にこなしたものが全て良い練習という訳ではありません。ミスをすることで選手個々やチームにいま何が足りないのかを明確にすることができるのです。

脳に汗をかく

脳に汗をかく」この言葉はSOLUNAの練習ではよく使うフレーズです。ロンド(鳥カゴ)というトレーニングはご存知かと思いますが、止める・蹴るの技術に加え、判断力も養える効果的なトレーニングの1つと言えます。でも、ただOFが四角いグリッドの外でパスを繋いでいるだけでは勿体ない。例えば、1タッチ→2タッチを繰り返す、必ず2タッチで行うなど、ロンドのオプションだけでも本が出せるくらい様々なバリエーションがあります。そんな頭脳を使うようなルール付けをするだけで選手のスキルアップが加速することでしょう。ルールを加えるということはもちろん、そこにトレーニングを攻略するヒントがあります。それを選手が気付いたときには、アニメでよく見るような頭の上に電球がピカッと光るアレが実際に起こる瞬間があります。
指導者がこのようなキッカケをどれだけ作り出せるかもトレーニングでは大事なポイントです。
だからと言って複雑なものが良いという意味ではなく、シンプルなものでも選手に何を伝えようとしているのか見ていて感じられるか?指導者は選手に発問して引き出そうとしているか?などもトレーニング、指導者の質を見極める目安になるかと思います。

ただ、冒頭にもお伝えした通り、トレーニングに正解はありません
まずは子どもが楽しいかどうかが1番です。そして、次にスキルアップに必要な環境が備わっているかを見てください。今では多種多様なクラブが身近な地域で活動するようになってきました。保護者の方からしても費用、通いやすさはもちろんのこと、お子様に合うレベル、雰囲気など実際に見て選べます。ぜひ、無料体験を活かして各クラブの練習を体感してみてください。

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