『フットサルコート、上から見るか?横から見るか?』
某映画っぽいタイトルなのは気のせいです笑
保護者の方がピッチサイドから「なんでそこでパス出さないの?」とアドバイスしている光景をたまに見掛けます。クラブによってピッチ内へのアドバイスは禁止というクラブもあります。スペインなどでは親が口出しすると退場させたり、その子どもを試合に出さない監督などもいます。当クラブではそんなことはしませんが、アドバイスするときに注意してもらいたいことがあります。
1.選手はプレーの選択肢としてその光景は見えていたのか?
2.選手にそのアドバイスを今の成長段階で伝える必要はあるのか?
1つ目に関しては、今回のタイトルのことです。ピッチサイドから見るのと中でプレーしているのでは視野は全く違います。そして、相手からのプレッシャーを受けながらボールをキープしている状態で顔を上げてフリーの味方を探すというのはなかなか難しいものです。
「見えていたけど、出さなかった」
「見えていたけど、出せなかった」
「見えていないから、出せなかった」
大きく分けてこの3つでもアドバイスすることは変わってきます。フリーの選手がいたにも関わらず、違う選択をしてボールを失った選手には私の場合「◯◯が右サイドにいたの見えていた?」とまず選手の視野がどうだったのかを確認することにしています。見えていなかった場合に「なんでフリーの選手にパス出さないんだ!」と怒鳴りつけても、そもそも見えていないのだったら違う課題が先にあるということなのです。
そして、2つ目のアドバイスの『段階』ですが、これは今の時点でその選手の技術や身体能力なども考えないといけません。例えば、1年生で強いパスがまだ出せない子に逆サイドのフリーの選手にパスをした方が良いとアドバイスしても、筋力(技術)的にまだ難しい場合があります。でも、親から言われると子どもは叱られたくないから言う通りにやろうとします。でも、上手くできません。指導者の立場から言うと「自分で判断してミスをしてほしい」と考えます。小学生のうちはトライ&エラーの繰り返しで良いと思います。もちろん、大事な大会や試合でミスが出ないためにも日々の練習でチャレンジしていくべきです。
最後に視野の話に戻しますと良い選手はピッチを上から見た視点で周りの選手の位置が見えています。これをセンスと言ってしまうとそれまでですが、鍛える方法はあります。まず、試合をたくさん見ること。テレビ観戦はもちろん、生で見ることでも新しい発見があることでしょう。
そして、手っ取り早い上達法はサッカーゲームをすることです。これは冗談ではなく、過去に指導した子どもたちも思い返しても、ウイニングイレブンが上手い子は戦術理解度は早いです。ゲームだとボタンを押せばパスやシュートが出せます。最近のゲームはパスミスなどもリアルにしますが、ある程度、自分の思い通りのところにボールを蹴ってくれます。だからこそ、判断の部分を鍛えるトレーニングができます。ドリブルだけで攻めてもボールは奪われますし、パスもただ前に出すだけでは展開できません。横やときには後ろに下げることも必要です。ゴールを奪うためにどう攻めると有効なのかプレーの選択肢を増やしていくことはとても大切です。
もちろん、ゲームばかりしていれば良いのではなく、実際にボールに触れる時間を増やすことが最優先なのは言うまでもありません!
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