遊びから発展するトレーニング

一見遊びのようなトレーニングでも、技術向上の要素があり、考える力を育てるものが個人的には好みです。今回行なったトレーニングもウォーミングアップではありますが、脳に汗をかけるものです。

中央に置かれた3✖️3の9枚のフラットマーカーを使ったビンゴゲームです。各チーム同時に1名が中央までドリブルをして、取りたいマーカーの位置から次の味方にパスを出します。先にビンゴを達成すれば勝ちという単純なルールです。しかし、ドリブルのスピード、パス、トラップの精度、そして何よりどう攻める(守る)という判断力が求められます。
相手チームがリーチなのにピンチと気付かなかったり、味方と相手がすでに1人ずついる列に入ってしまったりする選手が出てきます。こういう選手は試合の中で広い視野でピッチを見られていないため、改善していかないといけません。
このような遊びの要素を取り入れたトレーニングを行うと子どもたちも自然と声が出たり、コミュニケーションが取れます。チームでの対戦形式のため全力でプレーしてくれるのも良いですね。その日の最初の練習はこういった笑いが出るような雰囲気からスタートさせるのもチームとしては必要です。

 

ブラジルで学んだ手を使わせること

本日2つ目に行なったトレーニングも紹介しておきます。2チームに分けてハーフコートでのボールの奪い合いです。ただし、足で出したパスは手でキャッチし、手で持ったまま走って逃げます。そのときはディフェンスに体をタッチされると攻守交代とします。手で出したパスは足で処理をしてドリブルします。つまり、オフェンスは手と足を交互に使うことになります。間違えないためには味方がどっちを使ったかを見ておく必要がありますし、パスを出す際は味方が次に手と足どちらで処理するかによってパスの軌道、強さを考えないといけません。
こういったボールを手で扱うトレーニングを学んだのは私がフットサルのライセンスを取得しにブラジルに行ったときです。それまではキーパー以外は練習で手を使わせることはないという固定概念を持って指導していましたが、現地でお世話になったコーチに低学年でリフティング出来ない子に練習させるためにどうすれば良いか聞いた際に「手を使わせたら良いんじゃないの?」という意外な答えが返ってきました。その後、講習の中で受けたトレーニングでも上記で紹介したような手を使うものがいくつもありました。でも、リフティングで手を使わせるのは難易度を下げるためですが、足でのパス回しの中に「手を使う」ことが入るのは実は判断の要素が更に加わるため難易度を上げることになるのです。帰国してから新しいトレーニングをいくつも思い付いたのは言うまでもありません。
私が練習の中で手を使わせるのはこういった意図があるのです。トレーニングの中で「???」となるルール付けがある場合はそこに何か上達のための意味があるという風に見てみると同じトレーニングでも今までとは見え方が変わってくるかも知れませんね!

 

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