W杯でチェックしよう!『5レーン理論』

ワールドカップが開幕して寝不足の方も多いのではないでしょうか?
子どもたちには観戦しづらい時間帯の放送ですが、録画でも良いので出来る限りたくさんの試合を見て戦術理解度を高めて欲しいと思います。個人的にはリフティング1000回できるより、試合を1000回観戦した方が上手くなると思っています笑

さて、今回は進化し続ける戦術についてです。W杯をもっと楽しむために現代サッカーの戦術について学びましょう。ドイツブンデスリーガでここ数年で多く見られるようになった(実際は何年も前からあるがフォーカスされたのが最近になってから)『5レーン理論』を解説します。

 

『5レーン理論』とは?

ピッチを5つのレーンに分ける手法を発展させたポジショニングのルールです。名将グアルディオラ監督がバイエルンで実践して世間には広く知られるようになりました。Jリーグではイニエスタが加入したヴィッセル神戸や元日本代表監督の岡田武史が代表務めるFC今治など多くのチームが実践しています。

5レーン理論は3つの簡単なルールからシステムが作られています。
「1列前の選手が同じレーンに並ぶのは禁止」
「2列前の選手は同じレーンに入らなければならない」
「1列前の選手は適切な距離感を保ちながら隣のレーンに移動する」

例えば、バイエルンの場合は図の様にCBが左サイドに動いたことで、ボランチのラームがDFラインまで下がり、SBのダビド・アラバが中に移動しました。こうすることで、ハーフスペースに攻めるスペースを生み出すことができます。サッカーでは長友選手などSBの選手が外側を上がって攻めることをオーバーラップと言いますが、ハーフスペースを上がるこの動きは「アンダーラップ」と呼ばれ、今回のW杯でも多く見られます。

また、5レーン理論のルール通りに動くことで選手同士を三角形に結ぶロンド(鳥籠)の状態を作りやすくしてボールポゼッション(保持率)を上げることが目的です。
一見、複雑な動きに見えますが、シンプルなセオリーから成り立たせているシステムと言えます。
今日から観戦時にはこの動きを少し意識して見てもらえると、チームとして何を狙っているのかが見えてきて、また違った楽しみ方ができると思いますよ。

 

フットサルに活用できるのか!?

もし、チェスや将棋で駒の動きが決められていなかったらどうでしょうか?自由に動けるならその分攻めやすいでしょうか?そんなことはありません。ある程度、ルールがある方が混乱せずに動くことができますよね?
いま、子どもたちは自由なポジショニングでフットサルをしています。しかし、学年が上がるにつれてこのような戦術を覚えていく必要があります。アカデミークラスではこれからチームとしてシステムを構築していく段階に入ります。
私はいまW杯を観戦しながら、この5レーン理論をフットサルに当てはめて新たなシステムを研究しています。選手数、ピッチサイズが違うため同じルールを用いても上手くハマるとは思えません。フットサルにはフットサルのポジショニングを考える必要があります。
目指すは『得点しやすく、失点しづらい魔法の戦術』
時間は掛かるかと思いますが、年内に形になればいいなぁ…。

 

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